新型コロナウイルスの感染拡大で非接触コミュニケーションが急速に広がった結果、これまでにないほど、世の中はDX化の波に乗っています。しかしながら、同時に日本ではそれを支えるエンジニア人材が不足していることをご存じでしょうか。世界から遅れをとらないために、またより便利で快適な世の中をつくるためにも、エンジニアの育成は急務です。
その課題に真っ向から立ち向かおうとしているのが、新卒エンジニア採用支援領域では国内トップシェアを誇る、株式会社サポーターズ。代表取締役CEOの楓博光氏に、エンジニア市場の現状や育成の課題、展望などについて聞きました。
エンジニアへのリスペクトが生んだサービスで躍進
Q.まず、サポーターズはどのような事業を展開しているのか、教えていただけますでしょうか。
おかげさまで2012年の創業以来、いわゆるメガベンチャーを中心としたIT領域で採用支援を行っており、エンジニアを目指す学生の3人に1人が使うサービスにまで発展しています。これまで7万人を超えるエンジニア学生の就活、約1,000社の新卒エンジニア採用を支援してきました。
Q.楓さんがサポーターズを立ち上げた経緯を教えてください。エンジニア人材支援事業に取り組まれているということは、楓さんもエンジニアご出身なのでしょうか?
私は大学卒業後、新卒で広告代理店に入り、その後メディア事業を手掛ける電通グループの会社に人事として転職しました。その頃、ちょうどiPhoneなどが普及し始め、TwitterやFacebookなどのSNSも拡大し、まさに「世界が変わっていく気配」を感じていて。私も世界を変える側に回りたい、とプログラミングを勉強したのですが、挫折してしまったんです。そんな中、私と同い年のマーク・ザッカーバーグ氏がFacebookを始めて世の中に影響を与えていることにも衝撃を受け、エンジニアやプログラマーをリスペクトするようになりました。
加えて、人事として働く中でも、情報系の学生には専門的なスキルを持ち、才能にあふれた人たちがたくさんいることを知ったんです。しかし、そんなすごい人たちが偏った情報しか得られないために、なんとなく就職先を決めてしまうことや、キャリアを狭い範囲の中で選んでしまうことがある、という事実も同時に知り、とてももったいないと感じました。それで、いち人事としてではなく、多くの企業の人事担当者と協力してこの課題を解決したいと考えて、社内起業制度を利用して提案したのが、サポーターズという事業です。
会社のビジョンとしては「カッコイイオトナを増やす」。夢や目標を持って、その実現に向けて努力する「カッコイイオトナ」が、日本や世界を変えていくと信じています。そんなカッコイイオトナを目指す若者たちの夢を叶えるための第一歩をサポートしたい、という思いで創業しました。

10%ほどの優秀人材を奪い合う採用マーケット
Q.日本では、エンジニア人材が不足していると言われています。日本のデジタル化を支えるエンジニアを取り巻く状況は、どのように変化しているのでしょうか?
これを解決するためには、採用活動のことだけを考えるのではなく、「エンジニアを育てる」という視点を持つことが重要だと考えています。農作物も、収穫だけを続けていたらいつかなくなってしまいますよね。まずは畑を耕して、種をまいて、水を与えて育てて、そこから収穫することが必要なんです。でも今までは、ごく一部の実をみんなで奪い合おうとしている状態だったので、エンジニア不足は起こるべくして起きているのです。
Q.特殊な専門職であるにもかかわらず、育てる仕組みがうまくできていないということですね。
最近はようやく給料や待遇の面でも配慮されるなど、エンジニアにとって働きやすい環境が整ってきてはいます。それでも、母数が少ないため、優秀な人材の取り合いになっているのです。そこに課題感を覚えて、現状を変えていこうというのが、われわれサポーターズの目指すところです。
DXを推進する人材を獲得するためには、エンジニアという職種の特性を知り、それに合った採用活動を行うことが必要。それと同時に、人材不足を根本的に解決するためには、「育てる」という視点も大切になってきています。
後編では、楓氏率いるサポーターズが、エンジニア不足の現状を変えるべく取り組む、「エンジニアを育てる」施策や今後の展望などについて、詳しく話を聞きます。
「エンジニア人材が不足している」「採用活動を強化したい」など、人材発掘に関連した課題意識をお持ちの方。電通グループには、さまざまな企業の人材課題を解決してきた豊富なソリューションがあります。ぜひ、CONTACTよりお問い合わせください。