株式会社電通デジタルは、2022年9月8日、SNSマーケティングを高度化する統合フレームワーク「Tribe Driven Marketing(トライブドリブンマーケティング)」の提供を開始しました(※)。本稿では、「トライブ」の概念を考案し、Tribe Driven Marketingを開発した電通デジタル吉田初、小谷天兵に、開発背景と特長を聞きました。

データドリブンなコンサルティングを発展させ、SNSマーケティングの課題感を克服したい
Q.Tribe Driven Marketingを開発した背景を教えてください。
また興味関心が特に顕著に表れるのはSNSであるというところから、私たちソーシャルメディア事業部で重視しているデータドリブンなコンサルティングをより発展させ、今までのSNSマーケティングの課題感も同時に克服していきたいと考えました。
Q.これまでのSNSマーケティングには、どのような課題がありましたか?
SNSマーケティングの目的は、自社製品の認知獲得や企業への好意形成など多岐にわたりますが、それを一義的な「フォロワー数」や「エンゲージメント数」を中心に評価することにも見直すべき部分があると思っていました。
施策の結果が全体的にどうだったかということではなく、ターゲットとする顧客に対してどれくらいの反響を獲得していたか、なぜその結果になったのかということまで分析できるようになることが理想的だと考えています。
Q.SNSマーケティングが精緻に行えなかったことに、何か技術的な理由はありますか?
ソーシャルメディアの価値が増大している今だからこそ、こうした課題を克服しつつ、より高度なアプローチが必要であると考えており、そうした背景から開発したのが、Tribe Driven Marketingというフレームワークです。

トライブ基点でSNSマーケティング手法を高度化した統合フレームワーク
Q.Tribe Driven Marketingとは、ひと言で言うと、どういうものですか?
Q.「トライブ」にはどういった区分があるのでしょうか?
①一般的な趣味嗜好から区分する方法
例えば「キャンプ」「子育て」「テクノロジー」「SDGs」など
②サービス/製品に関する嗜好性から区分する方法
例えば「自社サービス/製品ファン」「競合サービス/製品ファン」「関連サービス/製品の愛用者」「関連サービス/製品のインフルエンサー」など

例えば、ベビー用品の顧客からトライブを考えると、広義の「育児」トライブから、さらに「知育」「育児関連のテレビ番組」「ベビー服」「おでかけ」への関心という単位のトライブのほか、「自社製品を愛好してくれている」「自社製品に関心を寄せている」「競合製品を利用している」というトライブも並行して作ることができます。各トライブの規模に制限はなく、柔軟に形成できます。またトライブの掛け合わせも行えます。
Q.Tribe Driven Marketingの特長は?
Q.「トライブデータベース」とは何ですか?

施策データをトライブデータベースと突合することで、クイックに施策結果を確認することができます。また、分析したい内容に即して、トライブの変更や調整も柔軟にできます。
SNSマーケティングで求められる課題・KPIに対して広く活用できる
Q.Tribe Driven Marketingはどのような課題の解決に適していますか?
「フォロワーを増やしたい」という依頼に対しては、そのSNSアカウントの現在のフォロワーにおけるトライブ構成を調べることができます。親和性の高い、相性の良いトライブが分かると、該当トライブのユーザーに興味関心をより持ってもらえるようなSNS投稿やキャンペーンを考えるほか、広告を用いてピンポイントにリーチすることも可能になります。
同様に、「エンゲージメントを増やしたい」「自社製品に関するSNS投稿を増やしたい」といったKPI達成に向けても活用できます。
Q.これまでに行った具体的な事例があれば教えてください。
また実施後の分析にて、“コアな映画ファン”のトライブでは、公開日当日以降より公開前のタイミングで最も自発的な投稿をしていたこと、また特にフォロワーの多い人によるものだということが分かりました。
そのため、「コアな映画ファン」×「フォロワーが多い人たち」の独自トライブに向けて、「公開前の話題化」の推進が今後のプロモーション設計で重要であるという学びがありました。
Q.Tribe Driven Marketingに興味があるマーケティング担当者に向けて、最後に一言お願いします。
※ “SNSユーザーを趣味嗜好で区分した”トライブ”基点の独自分析を行う統合フレームワーク「Tribe Driven Marketing」を提供開始”電通デジタル.(2022年9月8日)2022年9月13日閲覧
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