2022年11月23日、日本最大級の社会課題イベント「リディフェス」(旧:R-SIC)が、新宿住友ビル・三角広場で開催されました。2013年に初めて開催されたリディフェスは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年はオンラインの開催に(2021年は中止)。昨年は3年ぶりのオフライン開催となりました。株式会社 電通グループは本イベントに初めて協賛し、参加者のアイデア壁打ち場「クリエーティブ休憩所」を出展。本記事では、実際にリディフェスに参加したTransformation SHOWCASE編集部が、社会課題に向き合うトップランナーたちが多く集まったイベントの様子や、参加者の声をお届けします。

トップランナーと参加者の熱い思いで盛り上がる社会課題イベント「リディフェス」
そもそも「リディフェス」とは、社会課題に向き合うスタートアップである株式会社Ridilover(以下、リディラバ)が主催する、日本最大級の社会課題イベントです。同社の代表である安部敏樹氏と、ジャーナリストの堀潤氏が総合司会を務め、午前11時の開会宣言によってイベントはスタート。そこから7時間半後のクロージングに至るまで、1日で10個のセッションが繰り広げられ、会場は社会課題に向き合うトップランナーと、そのトップランナーの声を直接聞きたい来場者の熱気にあふれました。
2022年のテーマは、「連帯の再構築」。そのテーマに合わせて、「官民連携」「新時代教育論」「孤独孤立」「自治体経営」「ダイバーシティ&インクルージョン」「社会参画」という多様なセッションプログラムが用意され、登壇者も、NPO法人・社団法人・スタートアップ・大企業・ジャーナリスト・自治体・行政と、非常に幅広いバックグラウンドと活動母体を持つ方々がそろいました。
また、最後には、「ソーシャルクイズバトル・アンサングヒーローズ」と題した、来場者全員参加によるクイズイベントを実施。
「アンサングヒーロー」とは、「記録に残らず、賛美される場を持たない陰の殊勲者」、つまり「縁の下の力持ち」といった意味で使われる言葉です。まさに今、社会課題に正面から向き合っているトップランナーの方々が出題し、その回答を皆で考えながら社会課題の実態を知る、というプログラム。クイズイベントということで、東大卒クイズ王として有名な伊沢拓司氏が特別司会を務め、会場は大いに盛り上がりました。
多くの刺激を受けた参加者たち。「仕事はもちろん、人生においても心にとどめておきたい話」
来場者に感想を伺ったところ、以下のような声がありました。
「"社会課題に向き合うこと"をテーマにしたイベントでしたが、どのセッションも、登壇者ご自身の体験やその周囲の人の困っていることに真剣に向き合い、深く考え、アクションを取ることが、結果的に社会課題を解決することにつながっていました。つまり私自身も、わざわざ構えるのではなく、自分自身や自分の周りの困りごとに向き合うだけでもいいんだ、と気付くことができました」
「リアル開催のイベントだったので、きっかけを探していたり、具体的な解決策を考えていたりと、“何かしたい!”という同じ思いを持った方が、同じ場所に集まっているという事実だけで、胸が熱くなりました。こういった場に友達同士で誘い合って来るのも素敵だな、と思いました」
「大企業は社会課題を解決できるのか?」というテーマのセッションに参加した方々からは、以下のような声も。
「実際に企業の中で新規事業を推進する立場と、新規事業を支援する立場の双方の話が聞けて面白かったです」
「何かをスタートするときは、組織ではなく人を軸に始め、そこに集まる人が増えていくことでプロジェクトが推進される。この話は、新規事業に限らず、仕事においてさまざまな場面で参考にできると感じました」
「事業支援をする立場から見て、最終的に新しいプロジェクトの実行や課題の解決まで至る人の特長は、“やり続ける人”。あるいは『どんな手段でもいいから解決したい』と、“1つのアイデアに固執しないでゴールに向かって走れる人”、という話が印象深かったです。仕事はもちろん、人生においても心にとどめておきたいと感じました」
「社会課題解決」にとどまらず、自身の仕事や生活にも通じる気付きを得ることができたという感想を多く聞くことができ、さまざまな立場の人にとって有意義な機会となったことが伝わってきました。
イベントは終了しましたが、一部のセッション・プログラムや登壇者のトーク映像は、リディラバのYouTubeチャンネルで見ることができます。ご興味のある方は、ぜひこちらのページを訪れてみてください。
好評で急きょ、増席。「クリエーティブ休憩所」で生まれたさまざまな出会い

電通グループはリディフェスの趣旨に共鳴し、初めて本イベントに協賛、当日は参加型プログラム「クリエーティブ休憩所」を出展しました。出展メンバーの1人として参加した、電通グループの吉羽優子氏に、企画の狙いや、当日の感想などを聞きました。
Q.「クリエーティブ休憩所」とはどのような取り組みなのでしょうか。
来場者の中には、いろいろな社会課題と向き合い、取り組みを進める中で壁にぶつかり、「外からの視点、意見が欲しい」と考えている方がたくさんいらっしゃるのではないか。そこで電通グループのメンバーを「アイデアの壁打ち相手」にしていただく場にできればと、「私たちと一緒に考えてみませんか?」というメッセージを打ち出したんです。

Q.実際にはどのような方が集まったのでしょうか?
お話しさせていただいた内容は、多岐にわたるものでした。例えば、
・日本文化を海外で普及するイベントを企画しているが、今の企画でいいか意見が欲しい
・自分たちの活動をもっと知ってもらうためにはどうしたらいいか、一緒に考えてほしい
・社内の意識を変えるためにはどうすればいいか、アドバイスが欲しい
といったご相談がありました。1回あたり20分という短い時間ではありましたが、その中でも中身の濃いお話をすることができたのではないかと思っています。また、ここでお話しした内容は、その場でグラフィックレコーディング(対話の内容をリアルタイムで聞き取りながら情報を整理し、手書きでイラストや図を用いて情報をまとめ、記録していく手法)にして、「お土産」としてお持ち帰りいただいたのですが、それも多くの方に喜んでいただきました。本当にわずかな時間でしたが、それでも参加いただいた方々にとって、何か発見や気付きがあり、少しでもお役に立つことができたならうれしいです。

Q.「クリエーティブ休憩所」という形でリディフェスに参加してみて、どのような感想を持ちましたか。
リディラバからのメッセージ
最後に、リディフェスの企画運営の中心メンバーである、リディラバの井上朝雄氏より、メッセージを頂きました。
認知症の当事者と家族、地域がどう共生していくのか。当事者の方たちが抱えている心理的機微までを見据えたサービスデザインが求められていますが、利用者起点でのUI、UX設計というのは、行政が苦手な領域でもあります。
一方、利用者起点でサービスを、事業を磨き続けてきた存在こそが、大企業やスタートアップです。官民連携によるサービスデザイン、社会課題解決には、国や自治体から投下される予算も視野に入れると、巨大な事業ポテンシャルがあります。社会課題の理解を深め、事業を構想する上で、リディラバジャーナルや今後のリディフェスをご活用いただけたら幸いです。皆さんとご一緒できることを楽しみにしております。
リディラバはさまざまな社会課題に日常的に向き合い、その課題解決を支援するとともに、社会課題の実態についての認知理解を深めていくための取り組みを行っています。「リディラバジャーナル」というWebメディアも運営し、さまざまなアジェンダについて発信。ご興味のある方はぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。
電通グループでは、社会課題解決のためのさまざまなソリューションを、当事者の皆さんの立場になってご提供しています。新規事業開発にあたって、何から始めたらいいか戸惑っている方、ぜひ私たちと「お話し」するところから着手してみませんか?お問い合わせはCONTACTから。