Dentsu Lab Tokyoは、"考えながら創り、創りながら考える"をモットーに、クリエーティブの研究・企画・開発が一体となったR&D組織。テクノロジーを起点とした新しい表現開発に取り組む同チームは、現在、「UP-CYCLING POSSIBILITY(アップサイクルの可能性)」と題した新プロジェクトに着手しています。
2023年4月4日(火)~4月22日(土)/5月15日(月)~6月3日(土)、資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)(神奈川・横浜)にて、「アップサイクルの可能性展UP-CYCLING POSSIBILITY」を開催中のDentsu Lab Tokyo。前期を終え、後期をスタートさせた中での手応えや企画展の狙い、プロジェクト発足の背景などを、クリエーティブ・テクノロジスト/リサーチャーのなかのかな氏に聞きました。
「金継ぎ×テクノロジー」で生まれる、新体験
Q.「UP-CYCLING POSSIBILITY」は、捨てられたモノや壊れたモノに、テクノロジーとクリエーティビティを継ぎ足すことで、新たな機能や価値をつくり出す、アップサイクルプロジェクトだと聞いています。始動したきっかけを教えていただけますか?
モノを新しく作らずに、何か新しい価値を生み出す方法はないのかと思案していたとき、プライベートで体験した金継ぎを思い出しました。金継ぎは割れたり欠けたり、ヒビが入ったりした陶磁器の破損部分を漆で接着して、金属粉で装飾して仕上げる伝統技法。これを応用して何かできないだろうかと。
もう1つは、電流の流れ方によって温冷を切り替えられるという、大阪ヒートクール株式会社さんの技術を紹介してもらったことです。皮膚に当てて温冷を切り替えて、そのときに生じる痛みを使って、皮膚を傷つけることなくかゆみを紛らわせることができるデバイスを体験したのですが、こういった温冷の切り替えやピリッとする刺激のようなものを、食器に使うことができたら新しい体験を生み出せるのではないかと感じました。こういった出会いがあり、金継ぎとテクノロジーを掛け合わせたアップサイクルのプロジェクトがスタートしました。

誰もが「捨てる」以外の選択肢を持つきっかけに
Q.「アップサイクルの可能性展UP-CYCLING POSSIBILITY」では、プロジェクトで開発したプロダクトを展示しているとのことですが、実際にどんなものが見られるのでしょうか?

今回のイベントが来場する方々が、壊れたモノを「捨てる」のではなく、「どうしようか」と考えられるマインドセットを持つきっかけになるといいなと思います。会場には、お子さんにも楽しんでいただける体験型の「アップサイクル発明ゲーム」も用意しました。「壊れたモノ」のカードとさまざまな「テクノロジー」のカードをランダムで引いて、組み合わせたらどんなものを発明できるかを考えるゲームです。
前期の展示だけで、80ほどの発明品のアイデアが誕生したんですよ。まずは難しく考えずにぜひ親子でも足を運んで、アップサイクルを身近に感じてもらいたいですね。

<開催要項>
・開催期間:5月15日(月)~6月3日(土)
・開催時間:11:00〜18:00 定休日 日曜
・開催場所:資⽣堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)2階 S/PARK Museum FUTURE ZONE
〒220-8559 神奈川県横浜市西区高島1丁目2-11
(みなとみらい線「新高島」駅 1・2番出口すぐ)
・公式サイト: https://spark.shiseido.co.jp/
壊れたモノを捨てるのではなく、どう生まれ変わらせるのか考える「アップサイクルの可能性展UP-CYCLING POSSIBILITY」。さまざまなプロダクトに触れることは、未来について楽しみながら考えるきっかけになるでしょう。ご興味を持たれた方は、ぜひ足をお運びください。
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