企業の成長において、社員1人ひとりが誇りとやりがいを持って仕事に臨む「従業員エンゲージメント」の向上は不可欠です。とはいえ、モチベーションの高い人材を育てるのは容易ではなく、多くの企業が課題を感じているのではないでしょうか。
そんな中、企業のイノベーションや変革を支援するイグニション・ポイント株式会社は、Great Place to Work® Institute Japan(GPTWジャパン)が認定する「働きがいのある会社」ランキングで7年連続ベストカンパニーに選出されています(※)。設立9年目の同社は、どのようにしてエンゲージメントを向上させ、高いレベルを維持しているのでしょうか。インタビュー前編では、共同創業者 兼 代表取締役社長の末宗喬文氏にその秘訣を語っていただきます。
社員が「ゆたかさ」を感じられる会社を目指して
Q.イグニション・ポイントは、従業員エンゲージメントの高い企業として実績を出し続けています。末宗さんは、従業員エンゲージメントをどのように定義していますか?また、その重要性についてどうお考えでしょうか。
イグニション・ポイントの企業理念は、「ゆたかな人生のきっかけを」です。そこには、「世の中をイノベーションによってゆたかにしたい」、「社員がゆたかさを感じられる会社にしたい」という2つの思いを込めています。この理念を体現するために、職場環境や各種制度を整えるとともに、毎月エンゲージメント指数をモニタリングしています。

Q.従業員エンゲージメントのモニタリングは、いつごろからどのように行っているのでしょうか。
常に先手を打ち、社員が納得できる制度を整備
Q.創業から9年目ですが、既に7年連続「働きがいのある会社」に選ばれています。なぜ長期にわたり、従業員エンゲージメントを高いレベルで維持できているのでしょうか。
市場的にも人材流動の激しい急成長企業では、職場環境や制度をきちんと整えなければ優れた人材がどんどん流出してしまいます。その危機感があるからこそ、従業員エンゲージメントを向上させようという意識が高いのかもしれません。
例えば、プロジェクトの進行状況を見ながら、場合によっては参画メンバーを思い切って変えるということも、必要に応じて行っています。また、直属の上司には言いづらい仕事の悩み、中長期的なキャリアなども気軽に話せるよう、「パフォーマンスマネージャー」という相談役を設置し、2週間に一度の頻度で1on1ミーティングを行っています。そこでもし問題が見つかれば、上長に判断や指示を仰いだり、対応を要請したりすることもあります。
Q.組織においては、仕事のパフォーマンスと部下のマネジメント能力が一致しない人材もいるのではないかと思います。仕事のパフォーマンスが高くても、マネジメント能力に難がある、といった人材像についてはどのようにお考えでしょうか。
ただ、それも状況によります。例えば組織の規模がまだ小さい時やゼロからイチを生み出す段階では、かつてのような突破力のあるリーダーが求められることもあります。同じタイプのリーダーばかりそろえても多様性のない組織になってしまうため、組織の規模に応じてリーダーを育成・アサインすることが大事だと思います。

Q.イグニション・ポイントでは、マネージャークラスの方々にピープルマネジメントの重要性が根付いているのでしょうか。どのように意識を高めたのでしょう。
評価に関しても、成果に基づく「ロール&レスポンシビリティ評価」、会社のバリューに基づく行動を取っているかという「バリュー評価」の2軸で行っています。こういった制度から、意識が根付いていったのではないでしょうか。
Q.他に、従業員エンゲージメントを向上させるための制度や取り組みはありますか?
これは、自分自身で事業を立ち上げてCEOになったり、自らが手を挙げてジョイントベンチャー(複数の企業が出資して立ち上げた新しい会社)の経営幹部になったり、当社が立ち上げたサービスの責任者になったりできる制度です。このように、幅広いキャリアパスを提供することも社員の働きがいにつながっていると思います。
企業理念「ゆたかな人生のきっかけを」を体現するため、社員1人ひとりの働きがいを重視するイグニション・ポイント。毎月のモニタリングによる課題の発見と迅速な改善、社員のチャレンジ精神を後押しする各種制度などにより、高い従業員エンゲージメントをキープしています。インタビュー後編では、モチベーションの高い人材を育てる方法、マネジメント層に向けたアドバイスをお伝えしていきます。
電通グループでは、企業が抱える人事課題に対するソリューションを多数提供しています。従業員エンゲージメントの向上、モチベーションの高い人材確保などにお悩みの方は、ぜひCONTACTからお問い合わせください。
※ 2023年「働きがいのある会社」調査 中規模部門(従業員100~999名)の企業カテゴリーにおいて。