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2022/09/28

データからアクションへ。「DI×グロースコンサルティング」で目指す、次世代の成長戦略(後編)

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データ活用というと、「いかにデータを集めるか」に注目する人も多いかもしれません。しかし、本当に重要なのはそのデータからどのような気付きを得て、適切なアクションにつなげていくか。そのためには、データだけがあればいいわけではなく、それを分析するスキルや、具体的な戦略を立てるための知識、ノウハウなどが求められます。

株式会社電通コンサルティングと、株式会社ギックスは2022年4月に業務提携契約を締結。ギックスが提供する思考支援型のデータ分析と、企業のグロース支援を専門とする電通コンサルティングの知見によって、データに基づいた成長戦略の実現を目指します。前編では、ギックスが得意とする左脳的思考に、電通コンサルティングの右脳的思考が合わさることで、ビジネスの新たな可能性が開かれていく可能性について、電通コンサルティング代表取締役社長執行役員の八木克全氏と、ギックス代表取締役CEOの網野知博氏の2人が語りました。

続く後編では、両社が目指すグロース支援のビジョンと具体的な取り組みについて、さらに詳しくご紹介します。

>>前編はこちら

「価値の創造」と「支持の獲得」。2つの輪で企業は成長する

網野:電通コンサルティングさんとの業務提携に向けてブレーンストーミングを始めた頃、私は1つ大きな気付きがありました。電通コンサルティングさんはグロース支援を掲げていますが、正直なところ、グロース分野で当社のソリューションが役に立つのだろうかと当初は疑問を持っていたのです。

というのも、コンサルティング出身の私には、グロース戦略と言われると、M&Aか海外進出という、既存事業のオーガニックグロースとは異なる取り組みのことだろう、という先入観がありました。一方、当社のサービスは、どちらかというと過去のデータを用いて既存のビジネスをブラッシュアップするためのもの。そうなると、新規事業において役に立てることなどあるのだろうか、との思いを抱えていたのです。

しかし、よくよく話を伺うと、電通コンサルティングさんは、既存事業の成長にもしっかり貢献できると捉えているし、価値貢献領域として既存事業と新規事業を区別していないことが分かりました。クライアント企業の成長に直結することであれば、制限なく支援するというスタンスなんですね。確かに、その方がシンプルですよね。既存の事業を伸ばして顧客のニーズに応えていけば、その中で新しい商品やサービスが生まれる。その新しい商品が顧客の満足度を向上させれば、結果的にまた新規の顧客も獲得できる。そうやって既存の事業をグロースさせていく延長線上に新規事業が生まれていくと考えれば、「新規なのか、既存なのか」という問い自体がナンセンスです。私どもが前編で詳細をお話ししたデータインフォームドで目指していることも、結局は企業の持続的な成長ですから、目指すところは一緒だと思いました。

八木:そのような私たちの議論の中から生まれたのが「メビウスの輪」のコンセプトですね。「価値の創造」をすることで「支持の獲得」を行い、収益を得ることでさらに、新たな「価値を創造」していく。そのようなサイクルを無限に回していくことが、顧客の幸福最大化と企業の収益拡大の連鎖につながるという考え方です。

【図】メビウスの輪

網野:「メビウスの輪」をデータ分析に落とし込むとこうなります。まず既存の優良顧客のことをデータに基づいて理解し、ニーズをつかみ、それに応える過程で新たな商品やサービスが生まれてくる。そしてその新商品、新サービスによって新規顧客が獲得される。やがてその人たちが既存顧客となるので、その行動データを基にニーズを抽出し、さらに新しい製品やサービスをつくっていく……。

このように既存事業をアップグレードすることで、自然と新規事業が生まれ、やがて新規事業から既存事業となっていく。このような形こそが、企業にとっての自然な成長の姿だと思います。ことさら既存事業と新規事業を切り分けて考える必要はないんですね。

株式会社ギックス代表取締役CEO 網野知博氏

八木:そうですよね。そして、新商品や新サービスとは、必ずしも天才マーケターの斬新なアイデアやコンセプトだけから生まれるものではないと思っています。「こんな商品があれば忙しいお母さんが少しでも楽になる」などといった、現場の社員1人ひとりの意思や思いが積み重なって、自然と新しい商品や市場が生まれてくることもあると考えています。

よって日々のマーケティング業務や営業活動をされている1人ひとりがデータを業務にうまく組み込むことによって、顧客の幸福と企業の収益拡大を共に実現していく方法があるのではないかと考えています。

網野:私も当社のノウハウを使い、そのお手伝いができることをうれしく思っています。ちなみに「メビウスの輪」の中で最も難しいのが、右の「支持の獲得」の輪から左の「価値の創造」の輪に戻る、「ニーズの抽出」の部分だと思っています。一般的な事業は左の「価値創造」から始まり右の「支持の獲得」に流れ、「サービス提供」「市場への浸透」「収益の実現」と回っていきます。そこからいかにニーズを抽出し、「価値の創造」側へ戻していくかが一番の課題です。

私どものデータ分析は、人がものを考え、何かを判断するためのアウトプットに特化しています。クライアント企業がビジネス上の気付きを得るには、どういう切り口でどういうアウトプットを出せばいいのか、クライアントと相談しながら追求しています。それを基にクライアントが何らかの気付きを得て、「ニーズの抽出」から「価値の創造」へと進めれば理想的です。

ただクライアントにそこまで要求するのは難しい場合もあるでしょう。そのようなときは、電通コンサルティングさんに支援していただきたいのです。そこが今回の業務提携の肝であり、私たちがタッグを組む最大の意義だとも思っています。その際、電通グループの持つ右脳的な発想や情緒的価値のような部分が、非常に重要になってくると思っています。

八木:そうですね。現場で営業やマーケティングを推進されている方々は、事業を通していかに社会に貢献するか、顧客に喜んでいただけるか、といった強い思いで仕事に取り組まれています。データから新しい気付きを得られるどうかは、結局のところそのような“人の思い”にかかっているのだと思います。ぜひ、その背中を押すお手伝いを、ギックスさんと共に行っていきたいですね。

グロースを伴走支援しながら、やがてクライアントが自走する形へ

網野:「メビウスの輪」のような考え方は、多くの企業に共感いただけると思っています。そしていざ実際にクライアントが行動を始めたとき、われわれがまず提供できると考えているのが「伴走しながらのグロース支援」です。データに基づき、右脳も使いながら、既存事業の延長に新規事業が生まれてくるような伴走支援を行っていきたいと思います。

八木:ただ単に外部から人を入れ、事業をグロースさせるような方法は、われわれが目指す姿ではありません。ギックスさんがデータインフォームドで企業の意思決定やビジネスパーソンの判断を支援する。そこに当社のマーケティング施策や、事業をグロースさせるための戦略を組み合わせていく。その枠組みやプロセス自体を、クライアントの組織の中で自立的に動く形で提供したいと考えています。

株式会社電通コンサルティング代表取締役社長執行役員 八木克全氏

網野:まずはクライアント企業に、データインフォームドに基づく成長戦略を実践してもらい、その効果を体験していただく。その上で、少しずつお客さま側で自走できるように支援もする。最終的には、われわれの支援から卒業していただき、われわれが不要になるのが理想です。このようなサービスを、企業の皆さんが現実的に導入いただける金額で提供できれば、日本初、世界有数の取り組みになる可能性もあると思っています。

八木:当社は右脳的思考、左脳的思考の両面から、事業やサービスをつくることを得意としていますが、顧客から得られるデータは、業務や事業の改善や向上など、サプライチェーン側にも有益です。網野さんとの議論を通して、そのことを強く感じました。よって、この取り組みは、顧客だけでなく、従業員や会社組織、社会全体の成長にも大きく貢献できるものだと考えています。ギックスさんとの提携プロジェクトが、クライアント企業はもちろん、日本社会全体の成長や豊かさにつながるなら、うれしい限りです。

 


 

ギックスが提唱する「データインフォームド」は、電通コンサルティングによるグロース支援を強化するものです。一方で、電通コンサルティングのマーケティングやグロースに関する知見が加わることで、ギックスのデータコンサル力はさらに威力を発揮するでしょう。そんな2社がタッグを組んだ「DI×グロースコンサル」の今後の展開に、どうぞご期待ください。

また、新規事業と既存事業を切り分けるのではなく、一体として捉えた上で、「価値の創造」と「支持の獲得」のサイクルを無限に回していく、「メビウスの輪」の考え方は、多くの企業にとって自社の成長戦略を考えるためのヒントになるのではないでしょうか。

>>前編はこちら

※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。

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