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2022/09/27

データからアクションへ。「DI×グロースコンサルティング」で目指す、次世代の成長戦略(前編)

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今や、データの分析・活用は、ビジネスのあらゆるシーンにおいて重要なものとなっています。自社をより大きく、持続的に成長させていくためにはどのようにデータを使うべきなのでしょうか。株式会社ギックスは「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパスとして掲げ、ビジネスにおいてデータに基づいた判断を行えるよう、コンサルティングやソリューション提供を行っています。そんなギックスと株式会社電通コンサルティングは2022年4月、業務提携契約を結びました。電通コンサルティングのグロース領域における知見と、ギックスが得意とする「人の思考を支援する」データ分析の手法を組み合わせ、迅速で高精度な課題解決、クライアントの持続的な成長を支援することを目指します。

2社がタッグを組むことになった背景やその意義を、電通コンサルティング代表取締役社長執行役員の八木克全氏と、ギックス代表取締役CEOの網野知博氏の対談でご紹介します。

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データによって人間の思考や発想をアップグレードするのが「データインフォームド」

八木:最初に、ギックスが掲げている「データインフォームド(Data-Informed/DI)」の考え方についてあらためて教えていただけますか。

網野:「データインフォームド」について理解していただくために、まずは一般的によく使われている「データドリブン(Data-Driven)」という言葉から説明しますね。「データドリブン」は、データに基づいて判断や意思決定を行うことですが、この言葉には「データを解析することで、1つの最適解が導かれる」というニュアンスがあります。

データ分析は、最終的に何らかのアクションにつなげるために行いますよね。そして、分析を重ねることである程度アクションのパターンが固まると、徐々に「こういう条件ならこのアクションが最適」という判断を、ある一定のルールに基づき自動で行えるようになります。このような世界が「データドリブン」です。これ自体、私は否定していませんし、このような自動化、効率化はどんどん進めていけば良いと思っています。

ただ日々のビジネスにおいては、このようにルールに基づき自動で判断できるものは一部です。無理して機械に判断させるより、業界や業務に関する知識、経験と勘を踏まえ、データに基づき人間が判断した方がよほど早く、的確な答えが出せるものもあります。そこで、そのような領域において、人間が判断する上で役立つデータを提供することによって、判断をより的確で、スピーディーで、精度の高いものへアップグレードしていく。それが「データインフォームド」の考え方です。つまり、機械に判断を委ねるのではなく、人間が持っている知識や考えにデータを掛け合わせることで、その判断をより良いものにする。人間の思考や発想をアップグレードすることを目指しているのです。

株式会社ギックス代表取締役CEO 網野知博氏

八木:データ分析という論理的な「左脳的思考」と、人間の経験値などによる感覚的な「右脳的思考」を組み合わせることで、より精度の高い判断をしていこうという発想ですね。

網野:その通りです。左脳的思考と右脳的思考の両面から判断していく、という考え方は、今回の業務提携で電通コンサルティングさんと共に掲げているテーマでもありますね。

八木:当社は、社会や企業をグロース(成長)させる分野に特化し、「右脳×左脳×異能」を提供することで、機会や課題の探索から、構想(戦略策定)/計画を経由して、実行までを電通グループと連携しながら、一気通貫で支援することを「グロースコンサルティング」と名付けて、業務推進しています。日頃、「グロースコンサルティング」業務で支援している企業や事業の責任者は、左脳的思考と右脳的思考の両面から重要な意思決定をされているように思いますが、一般的なコンサルティング会社などは、右脳的思考や左脳的思考のどちらかに重点を置いた支援をしている会社が多く、特にグロースコンサルティング領域においては、ここに課題があると感じていました。

私たちはコンサルティング会社として、ロジカルに確からしい解を定める左脳的思考とともに、電通グループならではのクリエーティビティやアイデアといったユニークな解を求める右脳的思考を大切にしています。そういった意味で、網野さんが提唱されている「データインフォームド」には、とても共感できます。逆に網野さんからは、当社や電通グループはどのように見えていますか?

網野:そうですね。電通グループのような組織の大きな役割は、マーケティングによって社会に新たな需要をつくり出すことだと考えています。新たな需要をつくる上では、過去のデータから論理的に思考するだけでなく、時には右脳的な発想で、全く新しい角度から仮説を立てることも必要でしょう。そういった意味では、電通コンサルティングさんはどちらかというと右脳的な発想や思考力の強い会社だと思います。その点も、われわれが八木さんたちと協働したいと考えた大きな理由です。

八木:ありがとうございます。当社は企業やサービスを成長させる「グロースコンサルティング」という分野に特化して、「ユニークで確からしい解」を提供し、「ビジュアル化を活用しながら組織に定着化させる」ことで、多くの企業を支援してきました。その中で、ギックスさんとは、大きく3点協働のポイントがあると思っています。

まずは、企業は常に、顧客や社会にいかに新しい価値を提供するかを考えていると思いますが、自社が抱えている膨大な顧客データをどれだけ分析しても、そこから直接答えが出るわけではないですよね。大事なことは、過去の蓄積であるデータから、どのような気付きを得て、いかに新たな可能性を見いだすか。しかしそこが非常に難しく、データ活用における最大の課題だと感じています。

現在、経営や事業に携わっている多くの方が、過去のデータに基づいて意思決定や判断をする上での、「軸」のようなものを求めているのではないでしょうか。このような部分をギックスさんと協力して支援し、「ユニークで確からしい解」を定めることで、企業の非連続的な成長をお手伝いできるのではないかと考えています。

株式会社電通コンサルティング代表取締役社長執行役員 八木克全氏

網野:おっしゃる通り、同じデータでも、そこから何を読み取り、どのような手を打つかで、事業や売り上げの伸びは大きく変わると思います。例えば、データを基に適切なマーケティング施策を打つには、マーケティングに関する深いノウハウや知見が不可欠。よって私たちがデータインフォームドを推進する上では、そのような領域が得意な会社の力も借りながら、クライアントにサービスを提供することが重要だと考えています。

今回の業務提携では、そのようなデータからアクションにつながる部分のサポートを、電通コンサルティングさんに期待しています。当社の「DI(データインフォームド)」と電通コンサルティングさんの「グロースコンサルティング」を掛け合わせることで、より大きな価値を提供していきたいと思っています。それにより、データ分析の価値もきっと高まると思うのです。

八木:そうですね。そして次に、データを営業やマーケティング活動に活用する場合、ただデータに基づいて「次はこういうアプローチをするべき」と機械的に判断していくだけではなく、「こういう期待をしているだろう」とか「こういう体験をすると満足度が上がるはず」とか、心理的な部分も踏まえて、構想(戦略)をビジュアル化することで、計画や実行につなげやすくなり、より効果を発揮すると思います。この点でも、ギックスさんのデータ分析力と、当社のマーケティング戦略や施策のノウハウを組み合わせることで、より高効果が発揮できるのではないかと考えています。

現場の日常業務でのデータ活用が、企業の持続的成長へつながっていく

八木:最後にもう1つ、私たちがギックスさんに共感しているのが、データを一部の人間だけでなく、現場で実務を担う人がいつでも簡単に活用できるようにしようとしている姿勢です。

網野:そうですね。私たちは経営層に限らず、現場のビジネスパーソンが日常業務で何かしらの判断をするときに有益なデータを、スピーディーに提供できる環境整備に力を入れています。

実際、日常業務においては判断したいこと、検証してほしいことが日々、山ほどあるはずです。例えば営業スタッフは売り上げ目標を達成するために「今日、どのお得意先を訪問してどのような話をするか」といった判断を日々、行っています。これは実はすごく高度な判断なのです。商談の目的や取引先の状況、自分が達成すべき予算目標など、さまざまな条件を考慮して最適解を出さないといけないわけですから。それを自分の勘と経験ですぐに組み立てられるのはスーパー営業マンです。ですが、その判断に必要なデータを整理して提供することで、全ての営業マンが擬似的なスーパー営業マンになれるかもしれない。

ただ例えば、その判断材料が3カ月後にならないと手に入らないのでは話になりません。私たちはそのような状況を打破したいと考え、データを提供するスピードにはとりわけこだわり続けてきました。

八木:私たちも長年マーケティング支援をする中で、過去の人々の行動の集積であるデータをさまざまに活用してきました。しかしデータに基づいて仮説を立て、どんな施策を打つかは、マーケターの才能やパーソナリティーによるものが大きいのも現実です。

誰もがデータを簡単に、有益に、効果的に活用できる環境を整備することが重要だと、常々感じていました。でもそれをわれわれだけで実現するのは難しい。今回、ギックスさんと組むことで、マーケターやコンサルタント、クリエーターやデザイナーらが、もっと積極的にデータと向き合い、「ビジュアル化だけでなく、データを活用して組織定着化する」ことで、高度な課題解決が一過性で終わらないことを期待しています。

網野:優れたマーケターやクリエーターが強みとする右脳的な発想は、瞬時に思いついては瞬時に消えていくものだと思います。いいアイデアを思いついたとき、「その案を検証するためにデータを分析するので、2カ月待ってください」と言われても困ってしまいますよね。右脳タイプの方々が、いつでも自由に使える質の高いデータをスピーディーに提供することは、私たちが得意とするところです。

八木:ギックスさんが素晴らしいのは、日常業務の判断に必要なデータの蓄積、加工、集計、分析、表示の一連の流れを仕組み化して提供されているところですよね。そのために使ったデータが施策や意思決定とともに蓄積されていくため、後から他の人間が施策の効果を分析し、再現性を持った形でデータ活用できる。当社が進めてきた「グロースコンサルティング」をより強化する取り組みになると期待しています。

網野:われわれは日常業務の判断を、もっともっとデータインフォームドにしていきたいと考えています。結局のところ強い企業の本質は、小さな判断の勝率を高めて積み重ねていく行為です。その小さな判断の勝率アップをどの業務に適用していくことが、大きな事業インパクトの創出につながるのか。ギックスは、そういう観点でクライアントの成長を支援しています。そのような当社の「データインフォームド」の知見や技術と、電通コンサルティングさんのグロース領域の知見や発想を掛け合わせることで、企業の持続的な成長に大きく貢献できるのではないでしょうか。

 


 

AIを活用したデータドリブンが、ビジネスグロースの大きなカギとなる中、さらに「人間的な右脳志向」が加わることで、非連続な成長を実現していく。

ギックスの「データインフォームド」は、データに判断を委ねる「データドリブン」ではなく、そういった人間的判断を重視している。そこにさらに電通コンサルティングが得意とする右脳的思考が合わさることで、両社はこれまでにないグロース支援を実現しようとしています。続く後編では、さらに具体的に、両社が目指す成長戦略のビジョン、今後の取り組みなどについて聞いていきます。

>>後編はこちら

※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。

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