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2022/01/17

「顧客の期待に応えられていない」企業が4割も コロナ禍で、DXがさらなる全社重要課題に

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株式会社電通デジタル(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:川上 宗一 以下、電通デジタル)は、株式会社日経BPコンサルティングに委託し、「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2021年度)」を実施しました。本調査は2017年以降、経年で調査を続け、今回で5回目の実施となります。

世界的な新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)拡大の影響により、多くの企業でデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の必要性が高まっています。新型コロナ収束後の"アフターコロナ時代"へ向けて、DXに取り組む企業のさらなる増加が見込まれる中で実施した本調査の一部結果を発表します。

本調査結果の考察

今回の調査では、日本企業の81%がすでにDXに着手しているという結果になりました。「新型コロナの影響により自社のDXへの重要度が高まった」と回答した企業が65%に上り、長引く新型コロナの流行下において、企業がこれまで以上にデジタル化や事業変革を急いでいることがうかがわれます。また、新型コロナの流行とともに消費者や顧客の期待が変わる中、「消費者や顧客の期待に自社が応えられていない」と回答した企業が39.2%にもなった一方で、「変化する顧客の期待に応えられている」と回答した企業ほど、DX化が完了・DXに取り組み中とする割合が高くなっています。

さらに、DXで既に「成果が出ている」とする企業(=成果創出企業)と「(取り組んではいるが)成果が出てない」とした企業の取り組み内容を比較したところ、成果創出企業は、「デジタル時代に対応した事業ドメインへの進化」や「デジタル全社戦略立案」「新規サービス開発」など、デジタル対応による企業全体の変革や進化に取り組んでいることが分かります。

時代の変化やデジタル活用を取り入れた企業全体のミッションやパーパスを再定義し、既存事業や一部の組織にとどまることなく企業全体の変革を進めることが、顧客ニーズへの対応、DXの成果への本当の近道であることが、浮き彫りになりました。

主な調査結果

1.DXに着手している企業は81%。2020年から7%、また新型コロナ流行前の2019年からは11%増加

Q.DXの取り組み状況

2.コロナ禍によりDXの必要性の再認識、重要視が進む

コロナ禍による企業内でのDXの位置付けの変化については、65.1%が「重要度が上がった」と回答。

Q. 新型コロナによるDXの重要度の変化

3.自社が「変化する顧客の期待に応えられていない」と感じている企業が4割近くに上る

コロナ禍のもう1つの側面として、自社が「顧客の期待に応えられていない」と回答した企業は39.2%に上る。多くの企業が危機感を持ち、顧客対応の進化・改善を必要としている結果に。

Q.変化する消費者や顧客の期待に応えられていると思うか

4.「顧客の期待に応えられている」と回答した企業ほど、DXへの取り組みが進む

その一方、「顧客の期待に応えられていない」と回答した企業は、DXへの取り組みが「計画中」や「計画自体がない」といった回答が多く、DX推進が変化する顧客ニーズへの対応にも大きく相関していることが浮き彫りに。

クロス集計

Q. 自社は顧客の期待に応えらえていると思うか

Q. DXの取り組み状況✕顧客の期待に応えられているか

5.成果創出企業ほど、DX戦略の推進や事業モデル変革、新規事業開発に取り組む

成果非創出企業に比べて、システム導入や既存事業でのデータ活用にとどまらず、時代や消費者の変化に対応するために、DXで事業変革や新規事業開発に取り組み、成果を実感していることがうかがえる。

クロス集計

Q. (企業全体の)DXの取り組みの成果

Q. DXの取り組みや計画している領域・内容

非常に成果がでている(TOP1) - 全く成果がでていない(BTM1)の差分

6.成果創出企業ほど、ミッションやパーパスが制定されている

DXの推進は企業全体に関わる重要な変革・取り組みのため、その基礎、スタートとして"変化する社会に対する企業の存在意義の再定義"や"デジタル化への対応・DXを通して実現したい提供価値"といった「ミッションやパーパスの制定」が重要となることがうかがえる結果となった。

クロス集計

Q. (企業全体の)DXの取り組みの成果

Q. ミッションもしくはパーパスなどの経営指針が制定されていると思うか

電通デジタルは、本調査を受けてDXを加速させる日本企業の状況を踏まえ、DXにおけるビジョン構築や新たなビジネス/サービスモデルの導入・カスタマーサクセスの基盤づくり等の各種コンサルティングやソリューションの提供だけでなく、当社のデジタルスキルやノウハウを持つ専門家が企業と伴走することで顧客基点のDX組織作り支援を行います。また、今後求められる顧客への新たな価値提供を通じ、短期での成果創出と中期的なビジネス変革の両輪を目指します。

 

調査概要

●調査対象者:従業員数500人以上の国内企業所属者

●算出用サンプル数:3,000サンプル

●調査対象者の業種:全業種 ※日経BPグループモニターおよび提携モニターを対象

●調査対象者の所属:経営・社業全般、経営企画・事業開発、営業/営業企画・販売、カスタマーサービス、製品開発、企画・調査・マーケティング、デジタル統括/推進、IT/情報システム、広報/宣伝

●調査対象者の役職:経営者・役員クラス、本部長・事業部長/部長クラス、課長クラス、係長・主任クラス

●調査時期:2021年9月29日~10月8日

●主な調査項目:・DXの取組状況

  • DXの取組領域
  • 新型コロナ流行によるDXへの影響
  • DXの計画・推進上の障壁・課題
  • DX人材に関する具体的な課題
  • コロナ禍による顧客接点の見直しの取り組み度合い 等

 

※2022年1月11日電通デジタルコーポレートサイトにて公開されたプレスリリースを一部加筆・修正し、掲載しております。

この記事の企業サイトを見る
株式会社電通デジタル

※引用されたデータや状況、人物の所属・役職等は本記事執筆当時のものです。

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