2023/01/11

今話題のマーケティングトレンドワード5:2023年1月

デジタルやAI技術の分野を中心に、新たなワードが次々に話題に上る昨今。デジタルの活用や定着をサポートする「デジタルアダプション」、Web3.0を根底で支える技術「スマートコントラクト」など、テクノロジーに関連した言葉を耳にする機会は増えたのではないでしょうか。時代の変化に大きく左右されるビジネスやマーケティングの世界では、日々の話題を通じて知識を更新していくことも重要。この記事では、今押さえておきたいトレンドワードを5つピックアップしてご紹介します。

「コスパ」から移行した、Z世代が重視する新しい「タイパ」という価値観とは?

タイパ

最近、よく耳にする「タイパ」。「タイムパフォーマンス(時間対効果)」の略で、時間あたりの満足度を指します。特に、日々膨大な情報にアクセスするZ世代には、「限られた時間を有効に使いたい」という価値観が広がっており、タイパを重視する傾向が顕著。動画の「倍速視聴」は、タイパを意識した行動の典型例と言えるでしょう。コスパ(費用対効果)とタイパを分かりやすく比較するなら、食費を抑えるために、移動時間を費やしてでも手頃な価格帯で外食したり、一定の予算でなるべく多くのものを食べるのがコスパ重視の考え方。時間節約のために、手数料を払ってでもデリバリーサービスを利用したり、必要な栄養素が短時間で摂取できるサプリや栄養補助食品で済ませるのがタイパ重視の考え方。コスパからタイパへの移行を見据えたマーケティング施策が重要になりそうです。

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DX促進に欠かせない「デジタルアダプション」。業務アプリケーションのサポートツールに注目

デジタルアダプション

デジタルツールが日々進歩する中で、単にそれらを導入しただけでは使いこなせず、業務効率化などの具体的な効果に結び付かないケースが増えています。そこで、欧米はもちろん、日本でも注目され始めているのが、デジタルの活用・定着を支援し、生産性を向上させる「デジタルアダプション」です。ツールの導入や研修プログラム、作業の自動化など、さまざまなアプローチがありますが、代表的なのはデータ入力などの際に、利用文脈に即したガイダンスを表示するサポートツール。導入企業では、システム担当者への問い合わせが減少して負担を軽減できた、新人教育のコストが削減できたという事例も。クライアントへのDX提案の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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ブロックチェーン上の契約や取引を支える仕組み「スマートコントラクト」とは?

スマートコントラクト

難解なイメージがあるWeb3.0関連用語の中から、今回は「スマートコントラクト」をご紹介します。仮想通貨のやりとりをはじめ、ブロックチェーンにおける取引の基盤になっているもので、一定の条件を満たすと自動的に契約や取引が実行される仕組みです。人の手を介する必要がないため、特定の管理者が存在しないDApps(分散型アプリ)やDAO(分散型自立組織)の他、不動産分野では、引っ越しの際の物件申し込みから、賃貸契約、電気やガスなどの契約、転居手続きまでを一括で行うプラットフォームにも活用されています。今後、さまざまな業界への拡大も予測されるため、その動向からますます目が離せません。

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機械学習で追求される最高スコアの達成は、「SOTA」のカギとなるか?

SOTA

SOTA(State-of-the-Art)をご存じですか?一般的には「最先端」「最新」を意味する英語ですが、近年は機械学習の分野でも、特定タスクにおいて最良の性能を発揮する技術モデルに対し「最先端の〜」「現時点で最高の〜」を表す慣用句として使われるようになりました。画像分類や自然言語処理などのタスクで数々のSOTAモデルが発表されており、多くのベンダーや研究者が達成を目指しています。ただし、SOTAを更新した新技術が業界に大きなブレークスルーを起こすことがある一方、SOTA達成が目的化し、些細なスコア改善の競い合いに陥ってしまう懸念も。本来の目的は優れた技術開発である点を理解する必要があるでしょう。

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世界的AIコンペKaggleで金メダルを獲得。Kaggle Master 2人に聞くAI×クリエーティブの可能性 AI開発に必須の「PYTHON」。マーケティングの効率化に役立てる方法とは

不況下での広告戦略に役立つ?広告の効果を測る新しい評価指標「ESOV」とは

ESOV

広告の効果を正しく把握することは難しいものの、評価の指標は幾つか存在します。その1つがESOV(Excess Share Of Voice)。あるカテゴリー内の広告量シェア(SOV)から市場シェアを差し引いたもので、その数値が高いほど広告効果が高まるとされます。イギリスの広告業界団体が、ESOVが一定値を超えると次年度の市場シェアも増加、つまり売り上げアップが期待できると発見したことでも注目されました。こうした分析結果からは、不況下などで競合が広告出稿を控えているときこそ、積極的な広告投資が有効であることが示唆されるのではないでしょうか。

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今月は、タイパやSOTAなど、時代を切り取る新たな価値観や指標を表す言葉が目立ちました。また、スマートコントラクトやデジタルアダプションを利用した生産性の向上も関心を集めるなど、効率的な時間活用が価値として強く意識されているように感じます。先端、先鋭的であるより以前に、今は何が求められているのか。顧客に寄り添ったサービスや事業のアイデアを模索することが、自社独自の強みを生み出すきっかけとなるかもしれません。ビジネスにおける課題解決でお困りの方、クライアントへの提案方法などに迷っている方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。