2023/02/09

今話題のマーケティングトレンドワード5:2023年2月

近年、テクノロジーの力で暮らしやビジネスの課題を解決する動きが盛り上がりを見せています。IoTやAI技術によって乳幼児の子育てを支援する「ベビーテック」、「バーチャルヒューマン」を活用した双方向のコミュニケーションなど、先進技術を用いた新たな商品やサービスが次々に登場。今後、世の中に普及していくことが期待されるこうした潮流をいち早く押さえておくことで、自社ビジネスに生かせる機会も増えていくのではないでしょうか。今押さえておきたいトレンドワードを5つピックアップしてご紹介します。

少子化対策に効果的?子育てをサポートする「ベビーテック」に期待

ベビーテック

共働き世帯の増加などによって子育てに対する負担が増している中、近年、注目されているのが「ベビーテック」です。妊娠や出産を含めた乳幼児の子育てをテクノロジーで支援する商品やサービスで、スタートアップ企業を中心に参入が進み、市場規模を拡大させています。妊娠・授乳期の母親の体調管理が行えるアプリ、赤ちゃんの様子を見守るベビーモニターなど親に向けた商品に加え、園児の登園状況を管理して親と共有できる保育施設向けのICTシステムまで、その内容は多岐にわたります。社会課題解決の一助となる点で意義が大きいと言えるベビーテック。自社でどのような取り組みができるのか、一度考えてみてもいいかもしれません。

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Z世代も注目?推しを応援する「センイル広告」に見る個人の熱量

センイル広告

韓国で火が付き、日本でも広がりつつある「センイル広告」。ファンが主体となって、推しのアイドルや俳優などを応援する非営利目的の広告を指します。駅構内のポスターや屋外の大型ビジョン、SNS広告など媒体はさまざま。韓国語で誕生日を意味する「センイル」というタイミングで、「推しの記念日を祝いたい」「多くの人に知ってもらいたい」といったファンによる推し活の一形態として定着しました。広告費はクラウドファンディングを使って集められることが多く、そのためのプラットフォームも登場しています。推しのためにできること、という個人の利他的な情熱からなる広告出稿の需要から、新しいサービスや、マーケティングの可能性が開けるかもしれません。

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メタバースで活躍?AIによる販売員、「バーチャルヒューマン」に注目

バーチャルヒューマン (を活用したコマース)

中国では11月11日は「独身の日」と呼ばれ、大規模セールによって1年で最も商品が売れる日と言われています。2022年は規制強化や消費意欲の低下などで例年より控えめな開催となった一方、注目を浴びたのが「バーチャルヒューマン」です。CGで作られた人間そっくりのキャラクターで、AIを使った会話や画像認識によって双方向のコミュニケーションが可能。VTuberと違っていわゆる「中の人」は存在せず、中国ECで主流のライブコマースでインフルエンサーの代役として活躍しました。長時間のセールストークが可能で不用意な言動を防げる利点も。ファッションモデルや接客、通訳などにも活用され、メタバースとの親和性も高いと期待されています。

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DXに求められるセキュリティの最前線、「サイバーレジリエンス」

サイバーレジリエンス

近年、サイバー攻撃の手法が巧妙化。個人情報の流出に加え、不正アクセスによるシステム障害なども多発しており、企業経営に直接打撃を与えるケースが少なくありません。そのような中で重要性を増しているのが、サイバー攻撃を受けることを前提にセキュリティ対策を講じる「サイバーレジリエンス」という考え方。セキュリティ分野における「レジリエンス」とは「復旧能力」といった意味合い。テレワーク環境を含めたリスクを予測し、攻撃の被害を最小限に抑えつつ迅速に復旧を図ることで、事業の継続性を高めることを目指します。欧州では、デジタル製品に強固なサイバーセキュリティ対策を求めるサイバーレジリエンス法案が提案されるなど、法制化の動きも。今後、企業のDX施策を考える上でも配慮するべき視点となるのではないでしょうか。

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越境ECの現状と今後の可能性。 参入のポイントも考える Ads Data Hubとは何か?その活用の可能性を探る Data Clean Room連載(第1回)

個人情報の取り扱いに、今求められる「プライバシーガバナンス」

プライバシーガバナンス

情報取得や処理技術の進化により、企業によるパーソナルデータの利活用が多様化。2025年には個人情報保護法の改正が予定される中、データの扱いが問題となる企業は少なくありません。背景にはデータ管理やリスク評価の不足があるとの指摘も。その対策として重視されているのが「プライバシーガバナンス」の取り組み。国によるガイドブックでは、プライバシーに関する基本姿勢の明文化、責任者の指名やリソース投入などの体制構築が求められており、法務部門に加え、マーケティング部門やステークホルダーとも連携した包括的な対応が必要とされます。企業価値の向上という点からも、こうした施策に着目することは重要と言えるでしょう。

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モジュールAIサービス「KEY RING」で何ができるのか?AIによる「自然言語処理」で広がる可能性 個人情報保護法改正で、企業のリスクマネジメントはどう変わる? 高まるデジタルフォレンジックの重要性
今月は、サイバーレジリエンスやプライバシーガバナンスなど、企業のセキュリティ対策や情報管理に関連した用語も目立ちました。こうしたワードに関心が集まるのは、商品やサービスに「安全性」や「健全性」を求める消費者意識の高まりの現れと言えるかもしれません。そうした消費者の声に丁寧に応える姿勢を示すことは企業のブランディングの1つとなります。世の中の動向を踏まえ、自社の体制やシステムの見直し、企業価値向上に向けた施策をお考えの方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。