2023/03/10

今話題のマーケティングトレンドワード5:2023年3月

情報やコンテンツが増え続け、人々の興味・関心が多様化している昨今。いかに人々の関心を引けるかに価値を置く「アテンションエコノミー」や、Z世代を中心に広がるニッチな消費行動「界隈消費」など、時代の変化を象徴するマーケティングワードが注目を集めています。効果的なマーケティング戦略を立てる上でも、話題の用語を通して最新の市場動向はしっかりとチェックしたいところ。この記事では、今押さえておきたいトレンドワードを5つピックアップしてご紹介します。

関心を集めることが価値を持つ「アテンションエコノミー」

アテンションエコノミー

コロナ禍による外出自粛が続いた影響もあり、インターネットやSNSの利用が増加。記事コンテンツや販促活動における「アテンションエコノミー」の傾向がますます強まっています。アテンションエコノミーとは、大量の情報やコンテンツが流通する中で、限りある人々の関心(アテンション) を集めること自体が価値を持つ状態のこと。広告主やマーケターは、ユーザーにクリックしてもらえるよう、動画のサムネイルやニュース記事のタイトルに人目を引く工夫をするなど、さまざまな施策が求められています。そうした努力は、PV増や広告収入などのベネフィットをもたらす一方、過剰になるとコンテンツの質低下を招くといった指摘も。単なるアテンションの奪い合いにならないよう、バランスのとれた施策が重要と言えるでしょう。

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ソーシャルリスニング活用のメソッド。SNSにあふれる声を有効なマーケティング資料に(前編) ソーシャルリスニング活用のメソッド。SNSにあふれる声を有効なマーケティング資料に(後編)

消費行動の最前線。Z世代を中心に広がる「界隈消費」とは

界隈消費

スマートフォンやSNSに日常的に触れ、自在に使いこなすZ世代。彼らの消費行動の特徴を表すワードとして注目されているのが、消費の分散化・多様化を表す「界隈消費」です。デジタルネイティブとも呼ばれるZ世代は、よく利用するメディアや注目するインフルエンサーもさまざま。インサイトが一律ではなくなり、Z世代同士でも好きな有名人が異なったり、全く知らなかったりすることも珍しくないといいます。万人受けするものより、深く狭いコミュニティで、自分たちだけが共有しているものを重視することから、特定の“界隈”ごとに異なるトレンドが形成されていく傾向も。今後のマーケティングでは、こうした心理を理解し、より細分化された戦略が必要になりそうです。

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クリエーターエコノミーの起爆剤?「ソーシャルトークン」に注目

ソーシャルトークン

Web3.0の盛り上がりに伴い、「〇〇トークン」という言葉を耳にする機会が増えてきました。今回はその中の「ソーシャルトークン」をご紹介。ソーシャルトークンは、主にDAO(分散型自律組織)で用いられるトークンで、コミュニティのメンバーシップ証明としての機能を持ちます。コミュニティメンバーなどの「支援者」の数が増えれば増えるほど価値が向上するため、最近ではクリエーターが個人でソーシャルトークンを発行し、作品を収益化するケースもあります。発行されたトークンは、プレミアムコンテンツへのアクセス権や作品に関する投票権などとして利用可能。ファンにとっては特典を受けつつ、直接クリエーターを支援できる新たな仕組みとなり、今後、クリエーターエコノミーの発展につながることが期待されています。まだ整備が行き届いていない市場ではありますが、新たな経済の在り方として、注目してみてはいかがでしょうか。

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NFTにも種類がある?「オンチェーン」「オフチェーン」の違いとは

オンチェーン/オフチェーン

Web3.0と切っても切り離せない関係のNFTに、幾つか種類があることをご存じでしょうか。NFTと言えば、ブロックチェーン上で取引を行うものと思われている方が多いかもしれませんが、それは「オンチェーン」と呼ばれるもの。一方、ブロックチェーン上に取引の記録を残さない処理が「オフチェーン」。内部のデータベースに取引が記録され、最終的な結果のみがブロックチェーン上に記録されます。オンチェーンは改ざんが困難で信頼性が高い反面、スケーラビリティ(拡張性)の問題を抱えており、例えば1秒間に無数の処理が行われる暗号通貨の取引には向きません。それを補うのが処理速度の速さや柔軟性に優れたオフチェーン。そのため、両者を組み合わせる方法が有効です。NFT市場は今後も拡大が予測されるため、ぜひ理解を深めていきましょう。

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広告効果を改善。「リテールメディア」で顧客にアプローチ

リテールメディア

「リテールメディア」とは、小売業者が展開する自社メディア(広告媒体) のこと。コンビニなどの店頭に設置されたデジタルサイネージが代表的ですが、自社ECサイト上のバナー広告やアプリを利用した広告配信なども含まれます。小売業者の新たな収入源となるだけでなく、広告主にとっては小売業者が保有する膨大かつリアルタイムの販売データを基に、精度の高い広告配信が可能になる点がメリット。さらにお客さまからすると、店頭やECサイトで自分好みの商品を紹介してもらえる機会が増えます。お客さまの消費行動が複雑化し、マーケティングのターゲットを細分化しなければならない時代に力を発揮する手法として、注目してみてはいかがでしょうか。

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今月は、マーケティングに関連した用語のほか、ソーシャルトークンやオンチェーン/オフチェーンなど、Web3.0に対する解像度を上げるために知っておきたいトレンドワードもご紹介しました。ニーズが複雑化し、これまで価値が置かれなかったものにも価値が見いだされる時代。NFTを筆頭に、Web3.0に関連した技術がそうした傾向をさらに推し進めていくのかもしれません。マーケティング戦略や市場調査でお悩みの方、Web3.0への対応強化をお考えの方は、ぜひ一度、私たちにお声掛けください。お問い合わせはCONTACTから。