2023/04/14

今話題のマーケティングトレンドワード5:2023年4月

withコロナの時代に、夜間の経済活動を指す「ナイトタイムエコノミー」に再び注目が集まるなど、市場の動向にはさまざまな変化が生まれています。人々の考え方や行動にも変化が見られ、Z世代を中心に広がっている「FOMO/JOMO」や「quiet quitting」など、これまで主流だった価値観に疑問符を投げ掛ける動きも目立ちます。この先のビジネス展開やマーケティング戦略を考える上で、時代を牽引していくZ世代の動向には特に注目しておきたいところです。この記事では、今話題になっているトレンドワードを5つピックアップしてご紹介します。

物流に大きな変革が訪れる?「2024年問題」とは何か

2024年問題

働き方改革関連法の適用により、トラック運転手の時間外労働の上限が年間960時間に制限され、それにより生じる恐れがある諸問題のことを、物流における「2024年問題」と言います。2023年1月に野村総合研究所メディアフォーラムで発表されたレポートでは、EC需要の高まりなどで宅配ニーズが拡大している中、2030年には全国で約1/3の荷物が運べなくなるという衝撃的な予測も。この問題の対応策として考えられるのが、データを活用した運送の効率化。配車・配送計画のデジタル化や勤怠管理・予約システムの導入など、DXの推進がカギを握っています。影響範囲の大きい問題のため、物流企業のみならず、荷主となる企業側のアクションも重要。物流を改善することは、競合に差をつけるチャンスとも捉えられます。自社でできる取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。

Transformation SHOWCASEで扱っている 2024年問題 に関連する記事はこちら

ラストワンマイル問題解決のカギとなるBOPIS。社会の変化に対応したアプローチがビジネスにもたらす可能性とは? コロナ禍で増えるECの「返品」をポジティブに捉えたら?購入前に試着できる「TBYB」が、発想転換の糸口に

観光需要の回復の一手となる?「ナイトタイムエコノミー」推進の動きに注目

ナイトタイムエコノミー 推進

「ナイトタイムエコノミー」とは、夜間の時間帯(主に18時から翌朝6時まで)に行われる観光や娯楽などの経済活動のこと。日本は海外と比べて市場規模が小さいとされており、コロナ禍以前から官公庁が中心となって改善への取り組みがなされてきました。コロナ禍で停滞していたものの、今再び注目を集めています。この先、ナイトタイムエコノミーを促進していくには、インバウンド消費だけに頼ることなく、国内マーケットにも目を向けることが重要です。飲食店やエンターテインメントなどのコンテンツ提供者以外にも、交通や決済などの関連する事業者とも連携し、感染拡大防止にも配慮したUXを模索していく必要があるでしょう。

Transformation SHOWCASEで扱っている ナイトタイムエコノミー 推進 に関連する記事はこちら

マイクロツーリズムで獲得した新規顧客をリピーターに。他業種にも応用できるLTV向上施策とは 地方創生に新たな可能性を生み出した「チームビルディング・ツーリズム」とは。地域のインナーコミュニケーションを促す観光事業(前編)

Z世代に広がる「FOMO」から「JOMO」、情報過多な時代の生き方とは?

FOMO / JOMO

物心が付いたときからインターネットが存在し、情報過多の生活を余儀なくされてきたZ世代。彼らを中心に盛り上がりを見せているのが、「JOMO(Joy of missing out」」です。「見逃しへの喜び」といった意味合いで、「FOMO(fear of missing out:見逃しへの恐怖)」とは対照的な概念であり、大量の情報を追い続けなければならない不安から自らを解放し、心豊かな生活を取り戻そうとするウェルビーイングにもつながる考え方です。JOMOの特徴としては、有意義な時間の使い方やセレンディピティ(偶然の出会いから幸運を手にする力)の重視、時にはSNSなどから意識的に距離を置くデジタルデトックスを取り入れること、などが挙げられます。FOMOを前提としたマーケティングが多い中で、いかにしてJOMOをターゲットにビジネスを展開するか。難題ではありますが、この先、考える価値のあるテーマと言えるでしょう。

Transformation SHOWCASEで扱っている FOMO / JOMO に関連する記事はこちら

あらためて「TikTokの使い方」を考える~専門プランナーが語る、TikTokのマーケティング活用最前線~ 「デジタルネイティブ世代の消費・価値観調査 ’21」を読み解く~コロナ禍で変化した、デジタルネイティブ世代の購買行動〜(後編)

Z世代のワーキングスタイル「quiet quitting」とは

quiet quitting

「quiet quitting」という言葉をご存じでしょうか。直訳で「静かな退職」を意味するこの言葉は、家庭や趣味などの時間を犠牲にしてまで必死に働くのではなく、ワークワイフバランスを大切にし、必要最低限の労働を行うワーキングスタイルを指します。テレワークの普及など、コロナ禍を契機とした労働環境の変化を背景として、米国のZ世代を中心に広がっており、日本でも受け入れられつつあります。例えば、病気のときに無理をして働くのではなく、まずは体を休めることを優先する行動も「quiet quitting」の1つと言えるでしょう。こうした新たな潮流を意識し、マーケティングにおける訴求やコミュニケーション戦略に役立ててみてはいかがでしょうか。

Transformation SHOWCASEで扱っている quiet quitting に関連する記事はこちら

DXの時代、ハイスキル・フリーランス人材の活用が企業課題を解決に導く(前編) サステナビリティ・ネイティブなZ世代。キーワードは「意味」と「透明性」

GameFiの進化系?話題の「move to earn」とは何か

move to earn

NFTゲームをプレイすることでお金を稼ぐ「play to earn」など、さまざまな「X to earn」が生まれている中、現在、特に注目されているのが「move to earn」です。これは文字通り、「動く」ことで報酬を得られる仕組みです。スマートフォンのGPSや加速度センサーなどを使い、ユーザーのウォーキングやランニングの状況を測定。運動量に応じて仮想通貨を受け取ることができます。1日に数千円~数万円の報酬を得たというユーザーも複数報告されており、今後、利用者はさらに増加するものと見込まれています。move to earnの代表的なアプリでは、ユーザーは初期投資として、NFT化されたスニーカーを購入する必要があり、運営側にとってはこの利用料が主な収入源となります。まずは、その仕組みについて理解を深めるところから始めてみてはいかがでしょうか。

Transformation SHOWCASEで扱っている move to earn に関連する記事はこちら

Web3.0時代の到来で何が変わる?デジタル社会の変革で生まれる新たなビジネススタイルとは トークンエコノミーの要となるNFT。そのメリットと、広がるコンテンツビジネスの可能性を探る
情報化が加速する一方で、若者のSNS離れも指摘される昨今。過剰な情報から適切に距離をとる「JOMO」や、無理なく働くワークスタイル「quiet quitting」など、今月取り上げたキーワードからは、心地良く健康に生きることを優先する考え方が、Z世代を中心に広がっていることが読み取れます。どのようなコンテンツが彼らの気分にマッチするのか。今後のビジネス展開はますます難しい舵取りを迫られるかもしれません。Z世代を対象にしたマーケティングやコミュニケーション戦略を検討中の方、withコロナに即した新たなビジネス展開をお考えの方は、ぜひ一度、私たちにご相談ください。